2006年05月17日
季節を感じる心とからだ~春がきたよ!~
3月6日は「啓蟄(けいちつ)」~からだで実感する春の訪れ~
昨日3月6日は朝から暖かく、お日様は少し物足りないけど、重いコートを脱いで遊びに行きたくなるような一日でしたね。
3月6日は二十四節気(せっき=陰暦による季節の区分)の「啓蟄(けいちつ)」です。「啓蟄」とは大地があたたまり、冬の間、地中にいた虫が這い出てくるころのことをいいます。
「立春」が暦の上における春の始まりなら、立春の後の「啓蟄」はからだで実感する春の訪れです。昨日は、関東でも11日遅い春一番が吹き、なんとか帳尻をあわせたかのようで、ある意味自然のすごさを感じます。
窓をあけたから花粉症になるの?
なんといっても、昨日、本格的な春の到来を一番に感じたのは、花粉症に悩まされている方々ではないでしょうか。
一昨日まではなんとかおとなしかった花粉症が、昨日は朝起きたときから一気に大爆発、大暴れという方は多いと思います。
ちまたでは、春一番が吹いたから(風が吹いて花粉が飛散したから)とか、急に暖かくなったから花粉の飛散が活発化などと言われてますが、東洋医学的な考えでは、単純に花粉の飛散により花粉症が活発化したとは考えません。
昨日から花粉症が活発化したのは、季節の変わり目、つまり、昨日が「啓蟄」であり、啓蟄の日は冬の間地中にいた虫も這い出るくらい、しっかりとからだに春を感じる日のため、私たちのからだが季節の変化を敏感に察知した結果であると考えてています。
そう、私たち人間も地中の虫たちと同じ、自然の中に生きている生きものとして、春を実感したということです。
毎年春を迎えると花粉症に見舞われるみなさまは、いくらいきなり暖かくなったからといって、きっと窓を開けてはいないでしょう。エアコンなどで室内温度が調整され、窓を閉め切った室内で朝を迎えたはずです。ところが、窓を開ける前から、いきなり、くしゃみ・鼻水・鼻づまり、目のかゆみ・涙目になった方も多いはず。これって不思議じゃないですか?
このからだの変調は、春だけでなく、夏も秋も冬も同様です。エアコンによる室温の調整といった人工的な環境にいながらも、私たちのからだは季節を感じているのです。
春の花粉症は、春の木気と大きな関係
春の花粉症は、東洋医学では春の木気(もっき)が大きく関係していると考えています。「春という季節は、芽吹き(めぶき)どき」です。新しい芽が上へ上へと生えていくように、人間も「気」が上へ上へと昇るのです。
ところが、春は日差しは暖かいですが、まだ足元は冷えるころです。日がかげり、夕方になると寒くなってきますよね。
そのため、人間のからだは「冷えのぼせ」という状態になります。「冷えのぼせ」は足元が冷え、顔だけほてる(あるいは、頭がボーッとする)という状態のことです。
「冷えのぼせ」の状態は、女性に多く、春だけでなく、暖房を使っている冬でもなります。暖房のついてる冬の間、会社でずっとデスクワークをしていると、顔だけ熱くほてって、足元は寒くてひざ掛けをしないといられないという方も多いと思います。また、更年期障害は、ある種の冷えのぼせ状態ともいえます。
からだで春を実感~脈にも春があらわれる~
私たち人間は、季節の花などを見て、季節を実感するだけでなく、からだもちゃんと季節を感じているのです。
中国の鍼灸の古典『素問』平人気象論篇に、春の脈は「弦脈(げんみゃく)」という脈になると書かれています(「弦脈」についての説明は専門的な話なので、省略させていただきます)。
興味深いことに、一昨日まで、患者さまたちの脈は「沈んで弦脈ぎみ」だったのが、昨日来院された患者さんたちは「かなり弦脈に近く」なっていました。このように、脈からも、からだが季節を感じていることがわかるのです。
昨日初めて来られた、下肢痛(足の痛みのため歩行困難)の患者さまも春のからだになっていました。そのため、春を意識した治療をしたところ、痛みがかなり軽減し、帰りになると、来院時とは見違えるような軽やかな足取りになり、喜んで帰って行かれました。
ちなみに、治療は頭と足先に鍼を1本づつ刺しただけです。このように、足の痛みの原因を考えた上で、季節も意識した治療を行うと効果が一層あがります。
季節を意識した治療は、鍼灸治療ならではの独特の治療法です。どんなに人工的になろうとも、やはり人間は自然の中に生きている生きものなのです。それこそが、人間を臓器の集合体と考えている西洋医学との大きな違いです。
季節の変わり目で、からだのバランスを崩しておこった体調不良を治すのには、まさに鍼灸治療はうってつけといえます。
からだのバランスを崩しやすい春は、鍼灸治療に最適な季節
一昨日寒かったと思えば、昨日は暑いと、春は気候変動が激しい季節です。健康な人のからだでも、激しい気候変動についていくのは大変です。まして、慢性疾患や長いこと体調不良の方はなおのこと、からだのバランスを崩しやすくなっています。
また、春はからだが揺れ動きやすく不調になる一方、激しく揺れ動くからこそ、からだのバランスの崩れを治すにはちょうど良い時期ともいえます。春は1年という生命サイクルの始まり、鍼灸治療をスタートするには、最適です。
花粉症、季節を意識した治療については、今後、詳しい記事をアップする予定です。
投稿者 syoyodo : 15:49 | コメント (0) | トラックバック (0)
コメント
コメントを送ってください